2012.10.27 Saturday
アウトレイジビヨンド
JUGEMテーマ:映画
いつもいく映画館のポイントがたまったので無料で観れるということもあり、めったに邦画は観ませんがこれは観てきました。なぜかというとヤクザ映画のルーツ「昭和残侠伝」や「仁義なき戦い」シリーズをリアルタイムで観ているものとして現在のヤクザ映画がどんなふうに描かれているのか興味あったからです。当時、昭和残侠伝の高倉健や仁義なきの菅原文太、梅宮辰夫、松方弘樹ほか多くの俳優さんは現在のTVバラエティ番組なんかに出演するということなど全くなかったので少年であった私はきっとこの人たちは私生活でもヤクザなんかなあと思ったものでした。特に仁義なきの武田組組長武田明こと小林旭なんかはどこをどう切り取ってもその筋の人にしか見えませんでした。いやそれ以外にないやろとおもったくらいです。またヤクザ映画で悪役の常連天津敏、成田三樹夫、山本麟一などは本当に悪い奴なんやと思い込んでいたくらいです。それだけ現実味がありました。今回のこのアウトレイジビヨンドは「しっかりとつくり込まれた映画」という印象です。大まかな筋書は昔のヤクザ映画とほぼ変わりないと思います。仁義なきの広能昌三こと菅原文太に近いキャラクターで大友ことビートたけしの役柄がかぶっていると思います。今回この映画の出演者、皆演技がよかったです。迫力もありました。ただそれは「ものすごく演技がうまいな」という印象であり仮想的なリアル感といったものでした。しかし昔のヤクザ映画の役者さんは今考えると演技がうまいとか下手とかではなく地そのままのであったような気がします。「実録安藤組」の主演男優 安藤昇なんかは本職そのままが役になっているんですからこれ以上のものってないですよね。しかしながらいや〜このアウトレイジビヨンド、単なるヤクザ映画ではありませんぞ。文芸的価値も高いと思います。北野武監督の才能にあらためて感心しました。オススメ!